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放蕩見聞録・水族館篇 [14]
ほたるいかミュージアム

 2006.08.20 up

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基本情報 (2006.08記入)
 
  所在地 〒936-0021 富山県滑川市中川原410
(道の駅「ウェーブパークなめりかわ」内)
  アクセス
  • JR北陸本線「滑川」駅から海岸方向にまっすぐ徒歩5分
  電話番号 076-476-9300
  営業時間 9:00〜17:00
※最終入館は、16:30
  定休日
  • 6/1〜3/19の毎週火曜日 (祝日の場合は翌日)
  • 12/31〜1/1
  • 1月の最終月曜日から3日間
  入場料金
  • 3/20〜5/31:800円(高校生以上)/400円(3才〜中学生)
  • 6/01〜3/19:600円(高校生以上)/300円(3才〜中学生)
    (季節によって展示内容が異なるため、料金も異なります。)
  公式サイト http://www.hotaruikamuseum.com/
   
独断と偏見による概要
 
  • 富山の春の風物詩といえば蜃気楼とホタルイカ。というわけで、「ほたるいかミュージアム」です(笑)。
  • 「活きたほたるいかの発光ショー」が“呼び物”の観光施設ではありますが、ホタルイカと、ホタルイカ漁に関する博物館としての展示内容は充実。ホタルイカ以外にも、富山湾に棲息する深海生物が飼育されているプールもあり、水族館としても意外に(笑)楽しむことが出来ます。(ただし、流石に「日本動物園水族館協会」加盟施設ではないようですね。)
  • 「活きたほたるいかの発光ショー」は、ホタルイカ漁の行われる春季のみのショーで、漁の行われない6/1〜3/19の期間は、レプリカと光ファイバーによって発光を再現するそうです。また、深海性発光プランクトンの発光ショーも行われるそうですが、せっかくの「ほたるいかミュージアム」なんですから、本物のホタルイカの光るところを見てみたいですよねぇ(←だから6月以降は入場料が安くなるのでしょう。笑)
  • 流行の巨大水族館とは一味も二味も違いますが、日本中に同じような巨大水族館があっても少しも面白くないわけです。地域の自然や文化・生活に密着した、このような(小ぶりの)博物館や水族館が、もっともっと沢山、日本中に出来ると良いと思いますね。
    (ただしまあ、「音と光が織りなすファンタジックな物語・海の銀河伝説」の、「イリュージュンシアター」は余分だったけど…(^_^;;)
   
写真で紹介(2006.03訪問)
 
「ほたるいかミュージアム」の入り口です。非常に現代的なデザイン。

道の駅「ウェーブパークなめりかわ」内にあり、滑川海洋深層水分水施設「アクアポケット」や、深層水体験施設「タラソピア」などが併設されています。
開館は1998年とのことですが、一種の“町おこし”を目的として開発された施設なのでしょうね。

ただし、滑川の駅から、どこか懐かしい感じのする滑川の静かな町並みを歩いて来ると、海岸沿いに急に現代的なコンクリートの建物が立ち並ぶ公園(?)に出くわすのは、やや唐突な印象を受けます。

こういう現代的な建築も悪くはないんだけど、個人的には却って没個性な感じがするんだよなあ…。
ウィークデーの開館直後ではあったのですが、エントランスロビーに入るとお客は私一人に対して、受付に1人、案内カウンターに2人、ショップのカウンターに2人(^_^;;。合計5人の職員の視線が一斉に注がれて、やや恥ずかしかったです(笑)。

その上、チケットの購入は自動券売機(^_^;;。この自動販売機、いらないんじゃないの?(笑)
カウンターでチケットを買った後、見学は2Fから始まります。

まずはミュージアムギャラリーで展示パネルを見ていたのですが、「身投げの見られる場所は?」というパネルが目に付きました。

「身投げ?そんなもん見たくないぞ…」と思いつつ、隣のパネルをよく見ると…。

なるほど。そういうことなのね(^_^;;。
しかし「身投げ」とはいかにもキャッチーなネーミングです。上手いな(笑)。
ギャラリーで資料を眺めていると、職員の方が一生懸命、「間もなくイリュージョンシアターが始まります。」と呼び込みをしてくれています。と言っても客は私一人だけですから、つまりは私を呼んでいるわけ(苦笑)。
「折角呼んでくれているのに無視するのも申し訳ない。」と思って「シアター」に入りましたが…。

まあ、感想としては、「いかに滑川出身とは言え、室井滋も、もう少し仕事を選んだ方が良いぞ。」と(´・ω・`)。

「ホタルイカの発光をあえて『宇宙からの光』とかこじつけることに、何の意味があるのでしょうか。
気を取り直して1Fに降りると、そこは「展示ホール」。ホタルイカ関連の博物館の趣ですね。

たいていの人は「ふ〜ん」という感じで通り過ぎてしまうのでしょうけれども、こういう博物館のような場所、私は大好きです。展示パネルの説明もたいてい、端から端まで全部読んで回る(^_^;;。
これが愛しの(?)ホタルイカちゃんですね(笑)。アクリルガラスの中に封入された標本です。とっても綺麗。

実は私、食物としてのイカは大嫌いでして(^_^;;、ホタルイカなんて絶対口にしないのですが、見るのは大好きです。私にとってのイカは全て「食用」ではなくて「観賞用」(笑)。

ホタルイカの一生。
富山湾にだけ生息しているのかと思っていたらとんでもない。日本海を400kmも回遊しているのだとか。
そのホタルイカが富山湾で採れるのは、富山湾の地形と関係するそうで、産卵のためにメスだけが浅い海まで上がってきて、定置網にはいるのだそうです。

ですから漁獲されるホタルイカはすべてメス。オスは全部深海で死んじゃうんですと(^_^;;。
こういう模型も私は大好き。ホタルイカ用の定置網の模型。
こういう網の立て方の工夫とかって、見ていると面白いじゃないですか。(ウチの奥さんからは良く、「こんなの見て何が面白いの?」と訊かれますが…(^_^;;)

私はこの日の午後、魚津の海岸を歩きながら、海の上にある実物を眺めることことになりました。
こちらはホタルイカと同じく冬の富山湾の名物・ブリの定置網。

漁獲対象が違うと網の形も違う。当たり前の事かもしれませんが、改めて見るとすごいノウハウじゃないですか?
こちらは「深海不思議の泉」。
何が「不思議」なのか、イマイチ良く分かりませんが(^_^;;、富山湾の水深333メートルより取水された海洋深層水を満たしたプールなのだそうです。プールの中には富山湾の深海に住む様々な生物が入れられていて、見学者はそれらの生物に触れることもできます。つまりは深海生物のタッチプール!面白いでしょ?

で、どんな生き物がいるのかと言うと…。
例えばこれは「ザラビクニン」。日本海とオホーツク海の水深300m以深、水温2℃以下の海に生息する深海魚です。私は数年前ダイドーの飲料「MIU」のボトルキャップで初めてその存在を知りました(笑)。
そのザラビクニンをこんな間近に見られるなんて、感動!!

ズワイガニ。美味そうです(笑)。

この頃になると流石に他のお客さんも入館されて来て、ワイワイ言いながら生き物に触っています。
普通の水族館のタッチプールは子供たちのための施設という感じなのですが、ここでは良い歳をした小父さん小母さんたちばかり(笑)。私も存分に“子供っぷり”を発揮して、色々な生き物に触って来ました。

こちらはコイボイソギンチャクと、手前はイバラモエビ。
コイボイソギンチャクは本来、日本海の水深100m以深に棲んでいるのだそうですが、これは深さ333mにある深層水取水口から幼生で入り込んだものを、水産試験場で育てたものなのだそうです。

このプールの水温は2℃ほどということで、非常に冷たいですが、これも中々他所では出来ない経験ですから、この時期に近所まで来た方は是非、訪問されてみると良いと思います。
こちらの「深海不思議の泉」では、3月下旬から5月下旬までの期間、実物のホタルイカもFRP水槽で展示されています。これもタッチOK(笑)。

でも「食べないでくださいね。」と。
(食おうとするヤツ、おるんかなあ…(^_^;;)
タッチプールで遊んでいると、またまた、「ホタルイカの発光ショーが始まりま〜す。」という館内放送。時間に合わせて観光バスの団体さんなども入館して来ましたので、「遅れてはならじ。」と「ライブシフター」に入りました。

「活きたほたるいかの発光ショー」は、前半はVTRによるホタルイカ漁の説明。
毎日毎日、朝採れたホタルイカを「ミュージアム」にまで運んでくるのだそうです。(と、言うことは、つまり大部分のホタルイカはすぐ死んでしまうのね…(´・ω・`)。)

「発光ショー」は真っ暗な中で行われるので、写真でお見せできないのが残念(^_^;;。
半円形の生簀の周りに観覧客が集まって、説明係の方の合図と共に手前のロープを引っ張ると、ホタルイカの入れられた網が水中から引き上げられ、その刺激によってホタルイカが発光すると言うものですが、なかなか綺麗でした。
ただ、もっと沢山のホタルイカが一斉に光るところを見てみたいと思いましたね。

ホタルイカのアップ。
モジモジ動いていて、可愛いですよ(笑)。

ホタルイカの光り方には主に2通りあって、まず一つ目は「腕発光」。2本の第4腕の先端に3つずつ、強力な発光器があって、強い光を放ちます。これで敵に“眼くらまし”をするのだとか。

二つ目は、ほぼ全身の腹側が光る「全身発光」。腹側の皮膚をボンヤリと光らせることで太陽光に溶け込み、下から見上げる敵に見つかりにくくしているのではないかと言われているそうです。

滑川では4月から5月までの1ヶ月間程度の間、実際のホタルイカ漁の現場に出掛けて、ホタルイカの発光を見る「ほたるいか海上観光」も行われています。完全予約制で、出発は午前3時とか(^_^;;。

でもきっと、もっともっと沢山のホタルイカが光っているのを見ることが出来るのでしょうから、機会があれば是非一度、参加してみたいものですね。

〜 ちょっと番外編 〜

この日、水族館の見学後、富山湾沿いの道を歩いていると、先ほど「ほたるいかミュージアム」で見た、定置網の実物(?)を見つけました。意外に岸から近い場所に設置されているんですね。
(と言っても、写真で見るよりはずっと沖にありますけど(^_^;;)
   
まとめてひとこと
 
  • 富山出身者に「ミュージアム」のことを訊いたら、「えーっ!わざわざ見に行ったんですか?」という反応(^_^;;。
    でもバカにしちゃいけません。中々どうして楽しめました。
  • ただ、さすがに1日ここで過ごすのはツライかも(^_^;;。
    「ミュージアム」だけなら半日程度が最大限と考えて、見学計画を立てましょう。
  • 深海魚のタッチプールも、他所では中々出来ない体験。ユニークさではNo.1の施設です。
  • あえて難点を言えば「イリュージョンシアター」かな(^_^;;。
    どこにでもあるような没個性のシアタープログラムは、このミュージアムには似合いません。(東京の制作会社がプログラムを作ったんじゃないかなあ…。)
    ホタルイカの光を「宇宙からの光」とか言っちゃうのも陳腐だしね。
  • でもとにかく、ホタルイカ一種でここまでの施設を作り、運営を続けているということが立派!
    私は応援します(笑)。

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