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放蕩見聞録・水族館篇 [9]
よしもと おもしろ水族館
赤ちゃん水族館

 

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基本情報 (2006.03記入)
 
  所在地 〒231-0023 横浜市中区山下町144 チャイナスクエアビル3F
  アクセス
  • JR京浜東北線・根岸線 「石川町」駅 中華街口より徒歩5分
  • 東急東横線・みなとみらい線 「元町中華街」駅より徒歩8分
  電話番号 045-222-3211
  営業時間 11:00〜20:00
※最終入館は、19:30
  定休日 年間無休
  入場料金 1,400円(中校生以上)/700円(4才〜)/1,000円(65歳以上)
  公式サイト http://www.omoshirosuizokukan.com/index.html
   
独断と偏見による概要
 
  • ご存知?お笑いの吉本興業の経営で、2004年7月に、横浜中華街・中華大通り沿いにオープンした、テーマパーク型(?)の水族館です。館内の内装は、「中国の南の島の小学校」をモチーフにしたとのこと。(とは言っても、本当の中国の方が見たら怒り出しそうな、ステレオタイプではありますが…(^_^;;)
    2005.07には幼稚園をモチーフにした「赤ちゃん水族館」もオープンし、入場料は「おもしろ水族館」「赤ちゃん水族館」の共通券となっています。
  • 館内の“案内役”として、明石屋さんまがモデルの「さんま教授」と、「さかなクン」のイラストが描かれたプレートが各所にあり、展示してある魚の生態の解説などをしてくれています。入場者は最初に3問のクイズが記入されたカードを渡され、その答えを探しながら水槽を見ていく仕組み。経営はお笑いの吉本興業なのですが、意外に飼育生体の生態的特徴や飼育情報などの情報量が多い、いわば“情報重視型”の水族館です。
  • ただまあ、それが結果として「面白いのか」あるいは、「水族館として新しいのか」というと…(^_^;;。
    どうなんでしょうね?(苦笑)
    生物解説機能の充実という面からは、一概に否定は出来ないとは思うものの、「エンリッチメント」や「ランドスケープ・イマージョン」などの新しい展示コンセプトに比べると、この「よしもと水族館」のような、いわば「人工的な実験水槽」を中心とした展示は、かえって古臭い感じがしないでもありません。
    (「それはそれでまた“廃校になった小学校”のコンセプトに合致する。」というのは穿ち過ぎ?苦笑)。
  • 博物館的な、あるいは図鑑的な“情報”も大切なのですが、水族館の醍醐味はやはり、飼育生体が生きて、動いている姿そのものであるはず。もう少し、飼育生体自体の魅力が引き立つような飼育方法が工夫されていると良かったと思うのですが、そう考えるとやはり少々、“頭でっかち”な感じは否めないかもしれませんね。
    飼育生物の生き生きとした姿を楽しむというよりは、ちょっと、理科の教科書を開いて勉強しているような気分にさせる水族館です。
    (“お笑いの吉本”の経営なのにねぇ…(^_^;;)
   
写真で紹介(2005.12訪問)
 
よしもと水族館の入り口です。
横浜中華街の「中華街大通り」沿い、「善隣門」すぐ近くの「チャイナスクエアビル」の3Fに、水族館の入り口があります。「中華街大通り」からは少し奥まっているので、離れた場所からは分かりにくいかもしれませんが、ビルの前まで行けば見逃すことはないでしょう。

吉本興業が運営する水族館ですので、「中華街大通り」で若手のお笑い芸人が“呼び込み”をしていることもあります。
ごく普通の雑居ビルと同じような、狭いエレベーターにのって3Fで降りると、そこが水族館の入り口です。「水族館の入り口」とは言いますが、どちらかというと「ラーメン博物館」とか、そういう施設の入り口の雰囲気ですね(^_^;;。

ここでチケットを買うと、お魚の形のパンフレットと、小さなカードを渡されます。カードは片面が海の生物の写真で、もう片面がスクラッチカードになっており、3問のクイズが掲載されています。水族館の見学者は、館内の水槽や解説板を読みながら、そのクイズに答えていく“仕掛け”。全問正解すると、出口で記念品がもらえます。
入り口すぐの「下駄箱」水槽(^_^;;。

内装のコンセプトは一応、「中国の南の島の小学校」ということになっていますので、下駄箱とか黒板とか、昔の小学校の備品の中に水槽が埋まっている構造になっています。

“下駄箱”の上に「さんま教授」と「さかなクン」のプレートが貼り付けられていますね。こういうところに、最初に渡されたカードのクイズの答えが書かれていたりするわけです。
「中国の南の島の小学校」ということで、内装はこんな感じ。壁のあちこちに小さな水槽がはめ込まれています。

ただ、実際に中国に行ったらこんな内装の学校はありませんぜ(^_^;;。
ハリウッド映画に出てくる「日本の暮らし」みたいな感じなんですけど、どうなの?その辺(苦笑)。
実験水槽のゾーン。

カレー/ライス/福神漬けの3つ、つまり黄色/白/赤の3色に分けられた水槽の中にカレイやヒラメが入れられた水槽がありました。
「カレーライス」ならぬ「カレイライス」というわけですが(^_^;;、単にダジャレのための水槽なのではなくて、周囲の環境に合わせて、カレイやヒラメが色を変える様子を見せようというわけ。

この水族館の水槽は全体に、この手の水槽が多いです。
こちらはトビハゼの水槽。「トビハゼ」だから「走り高跳び」ということね。
まあ、そんな都合良くバーを跳び越してくれるはずはありませんが(^_^;;。
クイズの答えのコーナー。
入り口で渡されたクイズの答えを、どの水槽で見ることが出来るか、このプレートで確認して、水槽を見に行くわけ。

入り口で展示してある生物に関するクイズのカードを渡された時には、「こういうのも、ちょっと面白いかもな。」と思ったのですが、実際に自分で水族館の中を見て歩いてみると、展示されている生体の様子を観察することよりも、クイズの正解を探すことのほうに意識が行ってしまって、「水族館を楽しむ」という感覚からは遠いものだと感じました。
アイデアとしては面白いと思ったのですが…。
「コバンザメの風水占い水槽」というものもありました。
コバンザメが水槽の中のどの色の部分に貼りつくかで、占いの結果が分かれるわけ。

水槽の下から顔を入れるところがあって、水槽の中に顔を出せる構造になっていますので、みんな顔を入れて写真を撮ったりしていますが、は〜て、誰もコバンザメになんか興味がない様子ですな(^_^;;。
一日に3回、オニダルマオコゼの餌付けショーがあります。ちょっと地味(^_^;;。
水槽の前で若手のお笑い芸人コンビが前説をした後、水槽上部の扉が開いて、中から飼育員の方が顔を出し、オニダマルオコゼに餌を与えます。水槽には本物そっくりの模型も入っており、「どれが本物でしょう?」というようなクイズと共に進行していくわけですが…。
なんてーかなー、若手芸人が頑張れば頑張るほど、ちょっとイタイ感じも…(^_^;;。

ちなみに、この水族館は池袋の「サンシャイン国際水族館」と業務提携していて、飼育は「サンシャイン水族館」の飼育員の方が担当しています。
(飼育員の方の制服の背中にはそのまま、「サンシャイン国際水族館」の文字が…。笑)
オニダルマオコゼの水槽の裏側にもいくつかの実験水槽があり、これは水深によって色が変わって見える実験の水槽。
実験内容としてはわりにお馴染みで、それは良いのですが、狭い水槽の中にナンヨウハギとキイロハギを押し込めているものだから、多分ケンカしているのでしょう。生体の状態が悪くてかわいそうでした。

色の違いが分かりやすいようにナンヨウとキイロを選んだのだろうと想像しますが、この水槽ではそれぞれの魚の魅力は全く伝わらないわけで、それで良いの?という気がします。水族館全体に、生態が主役になっていなくて、むしろ手段。実験の結果を見せるためやクイズの答えを見せるために生体を利用するというのでは、水族館として本末転倒なんじゃないかという気がしますけどね。
「おもしろ水族館」の出口は「危険度1000%海のおそろしい生物ゾーン」。
水槽の中にはお馴染みのゴンズイやミノカサゴ、ガンカゼにウンバチイソギンチャクなどが入れられていました。

実はこのコーナーで、私は生まれて初めて実物を見ることが出来た生体がありまして…、

こちらがそのウンバチイソギンチャク。

今まで噂には聞いていましたが、生きている実物を見るのは初めてです。これは私にとっては貴重な経験。これから沖縄の海に行った時には気をつけよう。

でもまあ、こんな有毒イソギンチャクを見て喜んでいるのは、私くらいのものでしょうねぇ…(^_^;;。
で、こちらは「赤ちゃん水族館」の入り口。「おもしろ水族館」を出て、お土産販売コーナーの反対側にあります。

「赤ちゃん水族館」の内装コンセプトは「幼稚園」。実はここで靴を脱いで上に上がることになっています。穴の開いた靴下だと恥ずかしいので、ご用心!(笑)
こちらは「おもしろ水族館」に輪をかけて小さな水槽が並んでいます。その上、なにしろ「赤ちゃん水族館」なので、幼魚や幼生が中心。「それぞれの生体が成長したらどうするのだろう?」と思いますが、その時には「サンシャイン国際水族館」の方にでも移転させるのでしょうか?(笑)

本当に沢山の種類の幼魚がいて、生体そのものは「おもしろ水族館」よりもずっと見ごたえがあります。

まあ、「カクレクマノミ」や「ツユベラ」「カンムリベラ」などはお馴染みな感じですが…

これは珍しいでしょう。セミホウボウの幼魚。

良く見るとちょっと面白い魚も多いんですよね。

こんな魚もいました。「ナメダンゴ」。
成魚では7〜8cmに成長するそうですが、まだ1〜2cmの幼魚。

こちらはヒラメの稚魚、幼魚の水槽。(真ん中のは巨大な模型ですよ。笑)

小さすぎて写真に撮れなかったのですが、まだ透明で、目が身体の両側にある段階のヒラメの稚魚が、水槽の中に沢山います。人工養殖に使用される種苗ですね。これも私は見たことがなかったので、非常に面白かったです。

生体や飼育に関する情報が充実しているのは、「おもしろ水族館」と同様です。
でもこちらには「さんま教授」や「さかなクン」が登場しないので、却って読みやすいかな(笑)。

説明プレートの中には、魚の稚魚の餌の情報などもあり、シオミズツボワムシなど、クマノミ繁殖をやる人にはお馴染みですが、繁殖を手がけたことのない人は、初めて聞く名前ではないでしょうか。

魚の病気の治療の話などもあり、内容自体はかなりマニアックですよ(笑)。
内装コンセプトが「幼稚園」ということで、幼稚園の教室の後ろにあるロッカーの中に水槽が設置されていたりします。
(決して見やすくはないですが…苦笑)。
ジャングルジムやすべり台に組み込まれた水槽もあります。これはすべり台に組み込まれた水槽。

これも面白いと言えば面白いのですが、もう少し水槽の中に入れる生体を選ぶともっと良いと思うんだけど…。

これも面白い実験水槽でした。
水槽の水位が上下して、水位が下がると共に、真ん中の小さな水槽(そこだけは水位が下がらないようになっている)に魚が集まってくるというもの。「潮溜まりに魚が残るのは偶然なのか。それとも魚が自ら選んで集まるのか。」ということを説明するための水槽です。

時々(?笑)、こういう面白い水槽があります。

んで、入り口で渡されたカードのクイズに全問(3問)正解すると、右側のシールがもらえます。
左側は入り口で渡されるお魚型のパンフレット(案内図)。このパンフレットなどは可愛くて、良いアイデアだと思いましたね。

クイズは3問のうち、2問までは簡単ですが、最後の1問は難しいです。
ちなみに、私は3問目が不正解(^_^;;。全問正解の記念のシールは、実は子供がもらいました(笑)。
   
まとめてひとこと
 
  • 色んな要素が山盛りで、でもバラバラ(^_^;;。「木に竹を継ぐ」とはこれかいな。
  • 工夫や努力も認めるけれど、“やりすぎ”はちょっとイタイ(^_^;;。
    お笑いも水族館も、押しが強すぎると却ってお客は引いちゃうんだよね(´・ω・`)。
  • でも「赤ちゃん水族館」は面白いコンセプト。ひとつひとつ丁寧に見ていけば、それぞれの“ネタ”としては秀逸なものもあります。
  • 中華街でのお食事ついでの水族館。長く続くと良いけれど…。

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