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海底三百ミリメートル・実践編 [9] 番外
ヨウ素殺菌ペレットのセット

 

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白点病などの病気の予防や、飼育水の透明度アップに効果があると言われている
「ヨウ素殺菌ペレット」の使い方について解説します。

 

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ヨウ素殺菌ペレットとは
  強い殺菌力を持つ「ヨウ素」(うがい薬などでお馴染み)を含んだ樹脂のボール(実物は大きめのBB弾か、堅い正露丸のような感じ。)で、イオン交換の力によって、ボールの表面に接近した細菌や原虫などの細胞膜を酸化し、殺菌するというものです。イオン交換が可能な細菌類などが周囲に存在しない限り、樹脂のボールからヨ素が溶け出したりする事はないので、安全性が高く、かつ殺菌効果も長持ちするのだそうです。
ただし何せ文系なので、仕組みは良く分かりません…(^^;;。
興味の有る方は、詳しく説明しているメーカーのHPなどを御確認下さい。
 
    有限会社翠水 http://members.jcom.home.ne.jp/suisui52/top.html

なお、このようにご紹介はするのですが、筆者自身は今まで「ヨウ素殺菌ペレット」を実際に長期間使用するのは初めてです。(2004年2月現在)。使用した結果は「30cm水槽立ち上げ記録」にアップしてありますので、実際に使用される場合には、「30cm水槽立ち上げ記録」も御確認いただいて、ご自身の責任で採用されるよう、お願いします。

   
ヨウ素殺菌ペレットの使い方
  使い方は簡単で、飼育水が良く当るように「殺菌ペレット」をセットするだけです。「殺菌ペレット」の表面を飼育水が通過する際に、素早く、「ペレット」の周囲(0.6mmとか)飼育水を殺菌するそうです。
これを今回の水槽にどのようにセットするか、少し悩みましたが、本来、飼育水が濾過装置を出た直後に「殺菌ペレット」と接触するようにセットするのが最も良いと思われますので(それが最も綺麗な水を殺菌することになるから)、「ワンタッチフィルター」の「フィルターケース」と「フィルターバッグ」の隙間に、「殺菌ペレット」を潜りこませてみようと思います。

ただし、このセッティングは水槽の初期立ち上げの終了後(=NO2が検出されなくなった後=セッティングから1ヶ月程度後)に行います。
なぜなら、「ヨウ素殺菌ペレット」は有害・無害、有用・不用は関係なく殺菌してしまうので、少しでも早く、沢山の濾過細菌を繁殖させたい立ち上げ初期には、却って邪魔なものだからです。

   
具体的なセット方法
 
     
  1. 準備するもの
   
  「ヨウ素殺菌ペレット」 ・アイオマックペレット(翠水)
・交換用「ヨウ素殺菌ボール」(ニッソー)
・ヨウ素交換濾材(アクア工房)
  など、何でも構いません。
  園芸用鉢底ネット ・100円ショップで購入    
  排水口用水切りネット ・同上    
  釣り糸 ・適当な太さ&適当な長さで    
     
  2. 「殺菌ペレットユニット」の製作
     
   
  • 「殺菌ペレットユニット」の製作、と書くと大袈裟ですが、別に大したことでははありません。
    「鉢底ネット」を10cm四方に切って、そこに「水切りネット」を釣り糸で縫い付けて袋状に作り、「鉢底ネット」と「水切りネット」の間に「殺菌ペレット」を挟み込むだけです。
  • 殺菌効果の上では別に「鉢底ネット」に入れる必要はないのですが、「ペレット」は水に浮きますので、何かの道具で固定しておかないと水槽の中に流れ出てしまいます。「鉢底ネット」でなくても、要はメッシュ状の「入れ物」の中に「ペレット」を封入しておけば良いだけなのですが、只のメッシュの袋などではペレットが丸く集まってしまい、飼育水との接触面積を増やす事が出来ません。折角の「殺菌ペレット」がそれでは勿体無いので、ある程度固くて網目状のもの(しかも安いし)ということで、「鉢底ネット」が最適だと思います。
  • 「ユニット」の中では「ペレット」が重ならないように、「ペレット」を薄く、満遍なく広げてください。ペレットが重なると「ユニット」の厚みが大きくなり、「フィルターケース」と「フィルターバック」の隙間に入らなくなってしまいます…(^_^;;。
  • 「ユニット」の大きさや中に入れる「ペレット」の量は、フィルターケース」と「フィルターバック」の隙間に上手に入るように、調整して下さい。ひとつの大きな「ユニット」を作るのではなく、「フィルターケース」の形状に合わせて、細長い小さなものを3つのグループに分けて、真ん中は釣り糸で「刺し子」のようにしておくと良いと思います。(めんどくさいけど…笑)


「ユニット」の材料。
ペレットと鉢底ネットと水切りネット


「ユニット」の完成品。
フィルターケースの形状に合わせてある。

     
  3. 「殺菌ペレットユニット」のセッティング
   
  • 何も難しい事はありません。「フィルターケース」と「フィルターバッグ」の隙間、飼育水が吐出される側(内側・水槽側)に、滑りこませるだけです。(^_^;;)
  • この「ユニット」をフィルターケースに入れると、場合によっては、「ユニット」に接触している部分の「フィルターバッグ」の濾過バクテリアも殺菌されてしまうのではないかと考えています。ですから出来れば「フィルターバッグ」と「ユニット」の間を、なるべく広げられるようにセットした方が良いかもしれません。ただまあ、それだけでこの水槽セットの濾過能力が大きく低下する事はないと思いますから、そんなに神経質になる必要はないと思いますが…。
  • 実際にどんな具合になったかは、「30cm水槽立ち上げ記録」にアップしてあります。
  • 追記;
    2ヶ月程度使用した感じでは、非常に良好な感触を得ています。濾過にも悪影響を与えていません。
    ただし、もともと白点病がない水槽でしたので、「ヨウ素殺菌ペレット」の効果で白点病が予防されているのか、それとも単に白点病になっていないだけなのか、判断は出来ませんが…(笑)。
    それでもこの「ワンタッチフィルター」を使用した「ヨウ素殺菌ペレット」のセッティングは非常に簡単で使いやすいので、今後「ヨウ素殺菌ペレット」を使用しようと思う場合には、参考にしていただいて良いと思います。(2004年4月現在)


「ユニット」をフィルターケースに差し込む。
ちょうど良い大きさだった。


「ペレット」がぎりぎり水没する深さまで差し込めば
それでセッティングは終了。

   
使用上の注意
 
  • 「ヨウ素殺菌ペレット」はあくまでも病気を予防するもので、治療するものではありません。ですから病気が出てから慌てて使用しても、治療効果は期待できません。早め、早めの対策を立てましょう。
  • 既に上(↑)でも書いていますが、「ヨウ素殺菌ペレット」は、水槽立ち上げの初期に使用するのは望ましくありません。濾過装置に濾過細菌が十分に繁殖し、水槽が完全に立ち上がってから、セッティングして下さい。この辺の注意は「紫外線殺菌灯」を使用する場合と同じです。
  • 「ヨウ素殺菌ペレット」は、使用するうちに徐々に、殺菌能力が低下します。交換のタイミングは水槽の条件によって異なりますが、現在市販されている商品の場合はたいてい「3〜6ヶ月で交換」が推奨されているようです。個人的には、メーカー推奨よりも長めでも良いのではないかと思っていますが、海水で使用する場合は淡水で使用するよりも早く能力が失われるのでは?という説もありますので、メーカー推奨の交換サイクルを守った方が良いでしょう。3〜6ヶ月の間隔で、定期的に交換してください。
  • なお最近、アクア工房というメーカーから、「外掛け式フィルター専用・ヨウ素殺菌マット」という商品が発売になったとのことで、OT-30などの小型の外掛けフィルターにも使用可能なようです。
    自分で工作するのが苦手な人は、そのような商品を探し出して使用しても良いでしょう。
    (それなら初めからそう言え!って?…笑) 

 

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